健康サロン笑顔のContent of Lesson

認知症予防・フレイル予防・介護予防のプログラム

望ましい人生をおくるために

介護とは病人や高齢者を日常生活の身体的困難などに対して補助したり看護したりすることです。予防とは想定される悪化に対して事前に備えておくことです。老人福祉においての予防は介護を受けない身体、認知症にならない脳をどのように作るかということです。「健康サロン笑顔」では介護という概念は外から与えられるものではなく、自分自身で「学習」「遊び」「トレーニング」を通じ「自立できる身体」「脳の活性化」を作るということと考えます。こうした笑顔の考える「介護・予防」は日常の活動の中で培われるものです。 

自立できる身体、脳の活性化を可能にするために「健康サロン笑顔」では「モンテソーリ理論」「新老人」「終活」この三つの概念を融合して取り入れ、実践することにより新しい形の笑顔スタイルの高齢者ケアを確立しています。


「モンテソーリ理論」「新老人」「終活」の三つの融合

1.モンテソーリ教育理論と笑顔の認知症・フレイル・介護予防

モンテソーリ教育は児童教育の本幹をなす教育方法で、自立と集中力を養うメソッドです。この理論は高齢者ケアに有効に働きます。

モンテソーリ理論のメソッドは5分野に分けられます。 

・日常生活の練習 

例えば、洗濯や掃除など様々な日常生活を通し、自分の生活を依存から自立へと成長させ、さらには精神的にも自立できるとする心を取り戻します。 

・感覚教育 

感覚は知的活動の基礎となるので、視・聴・嗅(きゅう)・味・触の五つの感覚の衰を補います。 

・言語教育

コミュニケーション力は社会生活の基礎であり、また、思考の道具である言語は人間にとってとても大切なものです。 

・算数教育 

数を表す要素には三つの形態があり、具体的に感覚で捉えることのできる物「量物」、その量物を言い表す時に使う「数詞」、書き表す時に用いる記号の「数字」の三者で。これらの三者が一致した数量概念を脳トレーニングに取り入れます。 

・文化教育

動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など

多岐にわたった人生で積み上げた知識を研ぎ澄まします 。 


2.新老人という自立の思考

「新老人」は、医学博士 故日野原重明先生によって提唱されました。

世界で一番早く長寿国となった日本の高齢者が、世界のモデルとなるべく健やかで生きがいを感じられる生き方をするための具体的な提案活動です。 

21世紀を前に日本は急速な人口の高齢化が社会問題化されつつありました。しかし高齢になっても自立して、これまでの人生で培った知恵や経験を社会に還元できる老人はたくさんいます。

故日野原先生は、国連で定めた「65歳以上を老人」とする捉え方はすでに実態に即しておらず、 老人は75歳以上として、シニア世代の新しい生き方、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と名づけました。

笑顔の健康サロンでは健康寿命を伸ばすことにより「老人は75歳以上」からと考えアクティブシニアを増やし、自立して元気に生きる新しい老人の姿を提案していきます。


3.終活という生き方と逝き方の意味

人生の終末期へ向けて準備や活動することを「終活」といいます。「終活」とは、終末期のライフデザインを自分で設計し、残った人生を楽しく生き、長寿を全うし望ましい最期を迎えるという考え方です。「終活」は、高齢者(年金受給者)になって新しい人生がスタートしたことを自覚するところから始まります。 まず、第二の人生を考え、今までできなかったことにチャレンジして、 自分の身体を大切にして人生をエンジョイすることです。そして人生の終末期に向けて、自分らしい“いい旅立ち”を、一人ひとりが自分のステージに合わせ、残りの人生の中で準備していくことです。大切なのは「いい人生だった」と思っていつでも旅立てるように、出来るだけたくさん生きることです。それが「終活」の在り方です。